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4月のごあいさつ

コロナウイルス禍は、とうとう五輪まで延期させました。

突然(だったそうですが)の休校要請で学校関係の業界が干上がって(春休みが20日増えただけですが)、行政の公式行事は軒並み中止となり、卒業式や歓送迎会が縮小や中止となって飲食業界観光業界が大打撃。プロスポーツ界も大相撲やプロ野球は観客入れずにやってましたが茶屋や売店、グッズ業者は頭を抱えて。どの識者も言うようにこの感染禍は必ずやがて終息します、その後はきっとV字回復します。五輪は来年開催されます、今夏予定されてたように東京に金が落ちます。問題はそこまでどう凌ぐかです。今までのようなデフレマインドから抜けられぬダラダラ続く不景気というのではなく、リーマンショックのように一つ原因から生じた連鎖反応でもなく、国中の消費行動の急ブレーキ、強制停止が原因の金詰りと言うべき状態です。

金は天下の回り物とはよく言うたことで、学校が休みになると給食業者、そこに食品納めてる業者、さらに生産農家にすぐに皺が寄る。外出自粛要請が出ればすっかり人出が途絶える、新幹線が間引かれる、イベント会場やホテルはキャンセルの嵐、飲食店には閑古鳥。名指しされた屋形船やライブハウスは閉業騒ぎ。中国人観光客の減少で何軒かホテルが潰れる、爆買い当て込みの土産物店やドラッグストアが悲鳴を上げる、その後は日本人客まで来なくなっての大ブレーキ。金がぐるぐる回ればこその景気です。給料が先か消費が先かなんて卵と鶏論のような話ですが、金使ってくれてそこから流れ始めるわけです。そのために人を集めろ、イベントしろ、美味しいもの楽しいこと揃えろと金が流れていくわけです。

今次のコロナ禍は感染症の恐ろしさ(こんな全世界的なものは何十年に一度のことでしょうし)だけではなく経済の何たるかを教えてくれます。人が動いてこその金の動き。経済の基本はここにあるんですよね。株価の変動や金融政策やは副次的なこと、人が動いて金を使う、ここにこそ経済は律速されるとよくわかりますね。景気の要諦と言うべきか。景気も病気も気のもんだとは麻生さんの言葉ですが、デフレマインドとはよく言うたこと、経済学は人の心の学問です。数式化できるものではないでしょう。一刻も早い終息を願うことです。

今月もよろしくお付き合いください。

2020.4.1        弘田直樹

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