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5月のごあいさつ

コロナがこんなになると思わなかったですね。2月3月のことを思い出しても詮無きことなのですが、所詮他人事でした。都鄙の差は大きいのです、都会を羨むことが多いけれどこんな時は対岸の火事です、大変じゃのう・・と眺めてる。やがて都会に溢れてきて都会が門を閉め始めると、すぐに隣にこぼれていくという現象が明らかになって、田舎も安穏としてられなくなる。北海道に第二波が押し寄せたのも、千葉に埼玉に和歌山にパチンカーが押し寄せたのも、大都市の隣県や名だたる観光地だけの特有現象じゃないのでした。当県は広島と福岡に挟まれてます、下関から宇部小郡までの県西部は福岡(門司、小倉、博多)文化圏です、活発な行き来があってこその経済です。県東部は当地柳井は措いても(悔しいですが)隣の大島ヘは多くの広島ナンバーの車が押し掛けます。広島、福岡が閉まったらこぼれてくるのでした、東京大阪という巨大人口の大都会界隈と相同です、そのスケールを縮小して

。こぼれるなんて今は迷惑げに言うてますが、普段は隣県からのインバウンドを請い呼んでいるわけです。今更来るなはないわけです。首都圏の知事がそうであるように、当県知事も下関市長も同じように言い難そうに言うてます、今は来ないでくれ。各地のパチンカーの無頼さは我々の住む社会の構成員の多様さやその割合を具体的に示してくれますが、もう一つ、あの状況を誰もが非難を胸に呑み込んでただ見ているだけという日本の法治国家ぶりを顕しているのです。私権の制限なんて禍々しい言葉の肌触りの気味悪さです。性善説は心地よいのですが、多様性の二面さを承知してないと最後は子どもの喧嘩になってしまいましょうか。言うこと聞けや!放っとけ、やかましいわ!感染拡大防止が目的の筈ですが、私権の制限という言葉の響きの方がうんと大きくなるのです。今は来ないでね、と言いたいだけです、勝手な言い分と知りつつです。はいよ、またねと応えてくれればそれで済むのですが、そうは問屋がなんとかで。こういうことを考えさせてくれるところ、今次のコロナ禍はつくづく壮大な社会実験だなと思うことです。社会学的にも経済学的にも政治学的にも心理学的にもあらゆる分野でポスト・コロナと呼ばれる時代が構築されるんでしょうね。まさにペスト、コレラに匹敵するものなのでしょう。

今月もよろしくお付き合いください。

2020.5.1        弘田直樹

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