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4月のごあいさつ

先月次女が嫁いで、これで3人の子がそれぞれ所帯を持ちました。

親の責任なんてことはそれほど思ったこともなく、子育ての最中は目の前の出来事に当たるしかないことでしたし、しつけとか教育とかはもちろんちゃんとせねばならぬと思っていましたが、こちらも若い時でありますから、今から思えば恥ずかしいやらみっともないやらのこと事も多く、良かれと思っての行動や言動も酷い独善だったと、大人になり人の親になったわが子に指摘されて気がつくことが多いことではあります。が、子への仕送りが終わった時のひと段落とはまた違う、次女の結婚式の後のあの感情はこちらの人生の大きな区切りを知らされることでした。

二人で所帯を持って、また二人に戻る。両親が、祖父母が、またその父母が、誰もが皆繰り返してきたことですが、その順番が来て初めてわかる感覚です。子が成人するまで、子が社会人になるまでなどなど親の責任論の定義はあるのでしょうが、責任がどうこうではなく人生の季節感が否応なく身に沁みた末っ子の結婚式でした。

こちらも十分に歳が増えましたから、こういう時期にこういう思いにさせてくれてことを感謝するべきなのでしょう。還暦を過ぎてまた二人の暮らしが始まる。言葉にすれば格好よく聞こえるこの現実を心新たに迎える桜の頃です。

2017.4.1 弘田直樹

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