暑い夏が過ぎれば歳の瀬に向けて一気の流れですが、本当に時の過ぎるは早いことです。今更何を言う?の話ですが、どう足掻こうが、どれほど心配しようが、どんなに悩もうが、陽はまた昇るのです。明けない夜はないのです。この悠久遠大なる繰り返し、自然の営みの有難さはもっともっと認識せねばならぬことだと思います。ヒトは、動物は、あらゆる生物はこの流れにたゆたうわけです。還暦迎えて改めて思うことなどはないのですが、こういうことに気づくようになるのですね歳を重ねると。これも有難いこと、背筋が伸びる思いのすることでもあります。
NHKの朝ドラをよく見る者なのですが、9月までやっていた「トト姉ちゃん」、ちょうど私が幼い頃の世相が出てきて懐かしく郷愁を感じるものでした。洗濯機が出回り、トースター、アイロン等々日本中に届く時代。我が家は貧しい部類の家庭でしたが、それでも記憶にあるということはそれだけ全国に普及していたということ、つまりこれぞ高度経済成長であったという現象なのですね。こういう感慨も(理解、認識も)、この歳になればこそ湧きあがることなのだろうと思うのです。歳をとるのは悪くないですね。負け惜しみじゃなくてまことそう思います。今まで(若い頃に)経験してきたことが一つ一つ繋がっていく感覚です。40歳になった時、50歳になった時、それぞれに感じる所がありましたが、今はまた違う捉え方もあって。70歳が楽しみです、そういう気にもなります。それ以上はもう要りませんが。今月もよろしくお付き合いください。
2016.10.1 ? 弘田直樹