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9月のごあいさつ

酷暑は続きますが、季節は移っていきます。いつの間にか日が短くなり、夕陽には眩しい白に茜が混ざりはじめ、影は長くなります。子供のころから感じていた、夏の終わる情景です。やがて遠くの山や島影がくっきりと見え始め、空気が冷え澄んでいく季節感です。

一方でこの季節感に逆らうものもいます、コロナです。春先は暑い夏には一旦は終息するだろうという予想もよく聞いたことでしたが、それどころかの現実です。とうとう当県西部にも感染拡大の様相が見え、全国蔓延を実感するところです。暑い夏にこの有様です、本来の旬の季節になった頃にはどうなるんだとこれまた学者やメディアが煽ることですが、皆がマスク手洗い励行したことによって、今春にインフルエンザが流行しなかったことは厳たる事実です。そもそも複数のウイルスが同時に流行することは珍しい事であり(干渉と表現されます)今年の秋冬も同時流行ではなくどちらか一方だけだろうとの見立ても聞くことですが、両者の大流行を煽る方が耳目を引きます。どうする、どうする?どうするってどうにもなりません。そうなったらそうなったで対応するのみですから。かつての新型インフルエンザ流行時のように、です。毎冬のように嘔吐下痢(ノロ)で、またインフルエンザで一家全滅の家庭が出て、あちこちの学校で学級閉鎖学年閉鎖されて、やがて終息する。その繰り返しです。グレードの高い感染症指定から外して季節性インフルエンザと同じ扱いにすれば一気に「終息」しますよ、保健所が追いかけなくなりますから。そして法律の枠を離れればその流行について誰を咎めることもできなくなりますからメディアがすぐに飽きます。法律下に追いかけ対策しなければならぬから政府行政の所為にできるのです、だからメディアも面白がって失策を探す。この建付けを外したら、一気に「終息」でしょう。そうすればいいのに。いえ、遠からずそうなるのですけれど、いつやるか。専門家会議(分科会ですか)が提案できるか。ここですか。本当の終息ではなくて、見かけ上の「終息」へ。さてさて。

今月も皆さま感染にはくれぐれもご注意の上、よろしくお付き合いください。

2020.9.1           弘田直樹

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