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■ 我が愛しのビートルズ ?その1?

ビートルズに関する書物は世に溢れています。世界中の音楽シーンをひっくり返した、まさに一世を風靡したバンドですから、公式、非公式を問わず記録や逸話 には事欠きません。海賊版レコード(非公式の音源)の多さも群を抜くのではないでしょうか。 かく言う私もライブ演奏の海賊版を手に入れては、胸をときめかしてきた手合いです。 ものすごい歓声の間から漏れてくる、その辺のラジカセで録りました風の「ひどい音」に耳を凝らし息を呑むわけです。 ビートルズそのものなのです。お行儀 のいいレコード音源でない、隠し撮りですからオーバーダビングなどあるはずのない、ライブそのままの演奏なのです。ジョンは歌詞間違えても平気だし、ギ ターの音もベースの音もこれでもかというほどの大音量。あの時代の、モニター(コンサートなどでプレイヤーの足下に、観客席側から見ると向こうむき、プレ イヤー向きにスピーカーが置いてあるでしょう。あれは自分の声やら自分の弾いている楽器の音やらを聞くためのものなのです。これらをモニターと言います) がないばかりでなく今から思えばPA環境などないに等しい状況、アンプから大音量で出す、それに負けないように声を出す、ドラムを叩くだけの演奏、きっと 本人達には自分の声や楽器の音が聞こえていないんじゃないかというものすごい状況下で、それでも彼らはきっちりとハモっているし、ジョン以外は間違えな い、アウトにならない。私は、ビートルズのライブバンドとしての力はリンゴスターのタイトでシュアーなドラミングに多くを因ると思っています。むろん、曲 自体の優秀さやハーモニーの堅固さなど他に要素は多いにせよ、です。ドラムがシュアーで、ベースが堅実となれば、バンドは揺れません、これは一般的に、で す。そういう基本的な強さも当然ながらビートルズは十分に持ち合わせていたと言うことです。だから、ジョンが少々間違えようがご愛敬であるし、こうやって 後世の評価にも耐えられるというわけです。公式にもビートルズのライブ盤は2枚、解散後に出ています。ワーワーキャーキャーの極めつけの’64ハリウッド ボールでのライブ盤1.と、デビュー直後’62のそれこそマイク一本で録ったとされる初期の音源2.の二つです。もうひとつ、イギリスのラジオ局BBCで のスタジオライブ音源3.もあります。私は、2. 3. に唸ってしまいました。リンゴスターの力量たるやすごいと思いました。少なくとも初期のビートルズにおいてはリンゴのタイトさこそがバンドの要だったのだ と私は密かに確信しています。

1. The Beatles at the Hollywood Bowl ( EAS-80830, 1977)
2. The Beatles Live at the Star-Club in Hamberg 1962 ( VIP-9553~24, 1977)
3. The Beatles Live at the BBC (TOCP-8401~02, 1

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