7月のご挨拶です。

夏です。当地柳井は海辺の町です。だからどうこうと無理矢理に繋ぐつもりは全くないのですが、幼少時から夏は海です(でした、さすがに歳とってからは行きません)。小学校時分に学校にプールができて、夏休みに地区別に振り分けられて二時間だか三時間だか開放されてたこと思い出します。あれはあれで手軽で楽しかったですが、やはり海でした。海辺に住んでいたのではないので、裏の垣の向こうが海だとかの環境ではなく、海に行くには自転車こいで30分くらいかかったのでしたが、それもまた楽しで。中学生時分は運動部にいました、当時の常識は今の非常識なのです、練習中は水なんて飲ませてもらえません、約4?5時間の練習で水が飲めるのは一度の休憩15分の間だけです。でもそれで熱中症(という概念が当時あったのかどうか)で倒れた奴なんていませんでしたがね。夏休みも水泳は禁止です、他の筋肉を使うなとか冷やすなとか色々理由を言われましたが、夏の大会が終わるまで盆近くなるまでは泳いではいけませんでした(体育の授業はOKでしたね何故か)。で、解禁されて部員同士で海に行くんですが、他の連中は真っ黒に灼けてるのに俺達だけが真っ白けで恥ずかしかったもんです。当地の海水浴場は(黒島)綺麗な白砂の浜で、しかも遠浅。潮干狩りができる所でした。遠浅ですから藻もすごくて、潮が引いている時はとても泳げないことでした。ちゃんとした脱衣場がなくて、男どもはそのあたりの陰でパパっと着替えたもんです。強い陽射し、真っ白い砂、濃い青の海。海は東に広がり西側は山を背にしてましたから夕方が早いんです。すぐに影になる。遠くの海はまだ白く光ってるのに、座っている砂浜には夕暮れが迫っている。盆過ぎたら海坊主が出て足を引っ張られるから海には行くな。そう言われたもんですが、盆過ぎてからの方が景色は風情がありましたね。夕陽が茜色に染まる、あの季節感です。子供が小さい頃は、こいつらが行かないと泣きだすくらい連日海に出かけてました毎夏。体は真っ黒、お陰で今は背中一面シミだらけの汚いことになってます。癌化すれば自業自得もいいところです。でも海は好きでした。その夏が今年もやってきました。今は思い出すだけの海の夏です。

2012.7.1? 弘田直樹

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