文化論

ビートルズ来日40周年で、その辺の音楽関係雑誌は特集記事の雨霰、6月にはWOWOWでも特集されます。その都度に掲示板に書き込んでいますが、えらい もんですねぇ。次から次です。中でも未公開写真集(BEATLES IN JAPAN,1966)は渋いですよ。ビートルズの面々だけでなく、あの時代の日本が東京が写っています。これはあくまで私の趣味ですが、こういう昔の写 真や映画を見る楽しみはその背景にもあると思うのです。カメラマンはビートルズを撮る、そしてその後ろにその時代の空気も写るわけです。時代の先頭を走っ ている人達の後ろに、その時代を作り支えている人達も写る。その違い、コントラストがとても面白いと思うのです。1966年が写っているわけです、当然な がら。で、あの当時自分は小学4年生で、ああしてこうしてなんて見比べて、嗚呼40年!と深く感じ入るわけです。40年ですよ。40年前のバンドを未だに 世界中が忘れていないのです。品のない言い方すれば「何年経ってもゼニになる」こと、格調高く言えば「何年経っても人々の心から消えない永遠のスタンダー ド、それはもはや文化の域」なのであります。60年代をビートルズの時代と評することがよくありますが、残念ながらあの時代の中心世代ではないので(私よ り5歳くらい上になるとリアルタイムです、レコード追いかけていたと言う人が多くいます)あの時代の匂いや空気はおぼろげな記憶の中なのですが、しかと生 きてこられた方々にとって、ビートルズのあの曲々は思い出を辿るに一番確実なツールなのではないかなと、羨ましく思うわけです。写真の中のビートルズは、 何時見ても、こっちがいくつになっても格好いいと思います。やはり、男はいくら歳をとってもバカヤローなんでしょうか。
2006.5.23
Mersey Box 弘田 直樹

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