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■ 我が愛しのビートルズ ?その4?

ビートルズのアメリカ制覇(征服)などとよく表現されます。イギリスでブレイクしたビートルズが瞬く間にアメリカ全土を席巻したことを指します。私は、そ の象徴的な出来事が3つあると思っています。まずTV番組 エド・サリバン ショーに出演して、史上最高(当時)の視聴率を叩き出したこと。この様子は、ビートルズ出演番組を全て収録したDVDで見られます 1.。ほんまもんのビートルズマニアの叫ぶ姿は迫力満点ですし、旧世代を代表するエド・サリバンの、新しい波を歓迎するポーズに困惑と反発とを滲ませつ つ、それでも旧体制の枠内に納めようとする態度や仕草は楽しめますよ。ちなみに、エド・サリバン ショーは当時の有名番組で、日本からはザ・ピーナッツが出演したことがあります。二つ目はヒットチャートの上位5位を独占したこと。’64.3.31のビ ルボードチャートで、1位 Can’t buy me love、2位 Twist and shout 、3位 She loves you、4位 I want to hold your hand(抱きしめたい)、5位 Please please me です。この歴史的事実を見るたびに、ハァ??と溜息がでます。なんたること・・です。She loves you も Please please me もリリース当時は売れなかったのですよ(イギリスではバカ売れでしたが)、それが「抱きしめたい」が大ブレイクした途端、遡って大ヒットという訳です。い かに桁違いのブレイクだったかという証明でもありましょう。そしてビートルズはこの年の7月には初期の大傑作アルバム「A hard day’s night」をリリースし、同名の映画を作成します。まさに昇竜の勢いです。私はこの頃のビートルズに一番ときめきます。三つ目は’65.9.15 のShea Stadium(シェイスタジアム、ニューヨークの野球場)でのコンサートです。この時の模様もDVDで見ることができますが 2.、6万人の観衆の前での演奏です。6万人ですよ、どんな気分なのでしょうか。しかも、映像見る限りでは例によってモニタースピーカーが彼らの前にない のです。果たして、彼らは自分たちの演奏が声が聞こえていたのでしょうか。前から、横から、二階席から、天をつんざく悲鳴や大歓声が降りかかってくるので す。ギターもマイクもフルボリュームで対抗するばかりのこと、それでもリンゴのドラムは揺れず、彼らはきれいにハモるのです。バンドとしての実力も恐るべ しです。それにしても、当時のビートルズマニアのすさまじいこと。シェイスタジアムでのコンサートを皮肉って「6万人の観衆は、悲鳴と金切り声を聞くため にチケット代を支払った」という評、「僕たちを聞きたいならレコードで、見たいならコンサートへ」とのジョンのコメント、ああ、あの頃のこの風に吹かれて みたかったと、私は生まれるのが10年遅かったことを残念に思うのです。

1. エド サリバン presents ザ ビートルズ ( VABS-0010 )

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